生き残ることのできない企業の悪い風土
生き残ることのできない企業の悪い風土として、失敗の3Cという言葉があります。
- ① コンプラセンシー(自己満足)。
-
自分たちの仕事のスタイルはこのままでいいんだ、今のやり方で十分だというものです。
- ② コンサバティズム(保守主義)。
- これは無意識のうちにやっている悪いことに気付かなくなることです。前例主義に陥ってしまうことです。
- ③ コンシート(思い上がり)。
- 回りから見た自分と、自分が思う自分は、違うことに気付かないということです。
みなさんの組織にこのような事象が飛び交っていたら要注意です。
生き残る企業の良い風土
これに対して、生き残る企業の良い風土として、成功の3Cという考え方があります。
- ① カスタマー(顧客価値)。
-
常にお客様の視点から自分や組織を見つめることです。
- ② コンペティション(競争)。
- 常に社員の視野や次元を広げようとする会社のことです。ベンチマーキングなどを通して、他社や他者の良いところを教わり自分のものにすることが大切で、こうすることで社内の常識は社外の非常識になっていないか確認することができます。もちろん戦略や商品開発においては、それまでの業界の常識を疑うことにビジネスチャンスは生まれます。ここでは、あくまで自社の勝手な都合とお客様の望むことが合致しているかどうかということです。
- ③ チェンジ(変革)。
- 可謬(かびゅう)主義と対話(ダイアログ)のことです。可謬主義とは、間違いを可として、過ちを認め、気付いて修正する勇気を持つということです。人にも仕組みにも完璧なことなどありません。どのようなものにも欠陥があるものだと考えなければ、過ちにも気付かなくなります。また過ちに対して、怒ったり、文句ばかり言っていては、その組織からは気付きが失われていき、自主性も失われます。そういう意味では、過ちを指摘してくれた人に感謝の気持ちを持つ努力をすることもとても重要です。
そして対話ですが、ここで重要なのは、上司から部下への話ではなく、部下から上司への話が大切であるということです。上司には部下の意見を本気で聴くという姿勢が求められます。聴いてくれない人には、周囲は何も話しません。このことがわかっていないとコンプライアンス違反などは隠蔽されてしまいます。だからこそ対話できる風土こそが重要であり、互いの言葉こそが、組織の内面を映し出す鏡になり得るのです。
次ページ:最後に